A Road Traveled by Feudal Lords and Pet Dogs: Hiroshige's Fifty-threeStations of the Tokaido, |
保永堂版・隷書版を中心に |
歌川広重の代表作である保永堂版「東海道五拾三次之内」は、江戸を出発し、53の宿駅を経て京都へいたるまでの道のりをたどった55枚の大判錦絵シリーズです。天保4年(1833)頃に版元の保永堂(竹内孫八)と僊鶴堂(鶴屋喜右衛門)から共同出版され、のちに保永堂の単独出版となりました。保永堂版の大ヒットにより、名所絵の名手として地位を不動のものとした広重は、生涯で20種以上の東海道物を製作しています。 |
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「東海道五拾三次之内」は、江戸を出発し、53の宿駅を経て京都にいたる道のりをたどります |
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2011 12/16 プレス内覧会 |
「展覧会の構成」 | ||
本展では那珂川町馬頭広重美術館所蔵の保永堂版「東海道五拾三次之内」と、サントリー美術館所蔵の隷書版「東海道」を一挙に公開いたします。保永堂版と隷書版を比較し、宿場を描く際に広重が行った工夫と製作背景を追います。 保永堂版は、刊行当初の様子を伝える<初摺>や、一部の図様が改変された<変わり図>、55枚完結後に画帖として再発行された際の<絵袋>なども併せて展示し、人気商品であったこのシリーズが様々に展開していった様子を見ていきます。 また、富士、近江、京都などを描いた広重以前の名所絵や、広重に影響を与えたとされる円山四条派の作品と比べることで、広重が描く風景や人物表現の魅力に迫ります。 |
浮世絵でたどる四季折々の風景/版の違いに見る旅のドラマと風俗 |
十四: 原 朝之冨士 静岡県沼津市 |
十五: 吉原 左冨士 静岡県富士市 |
二十一: 鞠子(丸子) 静岡県静岡市 |
四十四: 四日市 三重川 三重県四日市 |
市川信也 那珂川町馬頭広重美術館館長 〜歌川広重の描いた東海道図は、見ているだけで 「行ったつもりになる」〜 |
歌川広重(1797〜1858)はもともと、江戸の火消しとして活躍していました。下級武士 “火消し同心” の安藤家に生まれ、若いうちに父の職を継いだのです。その傍ら、生来好きな絵を習いたいと、15歳の頃に浮世絵師歌川豊広に入門。文政6(1823)年27歳で同心職を譲り、絵師を生業にしたと言われています。それから10年後――天保4(1833)年頃に出版された 『東海道五拾三次之内』(保永堂版)は、「彼にとって出世作であり、代表作であり、メガヒットした唯一の作品と言えます」。…東海道の行程は当時、大人の男性の足で2週間ほど、ゆっくり歩いても1カ月以内で歩けたと言います。「にもかかわらず、広重はそこに春夏秋冬、四季を入れたんです。そして日時。朝、昼、晩。それに天候。雨、雪、快晴。自然の環境を巧みに加えることによって、絵に面白みを作ったんですね」。そして、出立の日本橋は非情に穏やかに始まり、途中では嵐に遭ったり、大雨、小雨、雪が降り、京都に近づくとまた穏やかな気候になっていくように、「55枚の中に旅のドラマを入れているんです」。 …今の日本人と180年前の日本人とのつながりを感じてもらえればと思います。…… サントリー美術館ニュース Vol237 P2 より抜粋 |
お問合せTel:03-3479-8600 |
参考資料:Press Release、「サントリー美術館ニュースvol.237」「広重 東海道五拾三次」カタログ他。 |
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